浴室で音楽を聴くにはどういう手段があるか、考えてみました。
現状では市販の製品を使用する場合、Bluetooth接続の防水型スピーカーがまずは無難ではありますが、充電などの手間や音質など課題も多く、長く使い続けるのは難しいだろうと思います。
お金を余るほど持っている方でしたら、その資金力で何とかするのかもしれません。上記課題を解決するような高級製品も世界中を探せば見つかるかもしれませんしね。ドバイとか。でも私にはそんな資金力はありません!
風呂の天井および天井裏の構造確認
私の自宅はいわゆるマンションでして、浴室はパナソニックのシステムバスルームです。特に高級仕様なものではなく、マンション分譲時に標準で備わっていたものです。
当然バスルーム内にはいわゆるプラグ型の電源なんて無くて(あったら大変ですが)、スピーカー用の電源を確保できそうなところは見えません。まずは浴室構造を確認しつつ電気が通ってそうなところを探してみますと、
- 照明器具
- 給湯器コントローラー
- 換気扇・浴室乾燥機
の3つとなります。もちろん電源用配線は壁面裏に隠れてます。
照明器具は壁面にあり、LED電球をつけられるタイプ(E26)の器具が2つ付いています。ここから電源とってスピーカーをつけられれば、ステレオスピーカーシステムの完成じゃん!と思うんですけど、防水のためカバーで密閉されていて、また照明器具という性質上、影を作ってしまうようなスピーカーを設置する余裕はありません。
給湯器コントローラーについては、これも壁面に埋め込まれていますが、ガッチリと防水シールされているので、とても電源を確保して、また近くにスピーカーを設置する、といった余裕はありません。
最後の換気扇・浴室乾燥機ですが、これは天井についております。やはり天井埋込み型なので、一見してここから電源を確保するのは難しそうです。ですが、よく見ると少し離れた場所に人が1人入れるくらいの点検口が開いているのが見えます。で、この穴から中を覗いて見ますと・・・
コンセントを発見!
そして換気扇からのプラグがコンセントに刺さっています。
そう、この換気扇は浴室外のリモコンと、照明の電源のON/OFFによって動作が制御されているタイプのものなのです。浴室の照明が点灯した場合は入浴中とみなし、換気扇の信号入力部に電圧がかかり、換気量が制限され、換気による浴室温度の低下を防ぐ、という機能が付いているようです。
少なくともこのコンセントは、バスルームの照明をつけている間はAC100Vの電力を供給可能であり、スピーカー用電源に使えそうです。。
部材の準備(購入したもの)
天井裏では電源の確保ができそうなので、スピーカーも天井に設置することにしました。
用意したものですが、細かい部品は書き逃してるかもしれませんが、ざっと下記の通りとなります。
- 埋め込み型スピーカー(防水タイプ、2台)
- オーディオレシーバー(Bluetooth伝送、AAC/aptX対応)
- アンプ
- スピーカー設置用の板
- 配線用部品(電線、プラグ等)
埋め込み型スピーカー(防水タイプ、2台)
私は防水、防カビで安心なCL-135WRを購入しました。
似たような種類や形で防水でないものが多いので、ご注意を!
CL-135WR自体は入手性がそれほど高くはない模様でして、その都度探すのが良いかと。。
オーディオレシーバー
AAC/aptXに対応し、電源スイッチなど不要なものは付いていないものを探しました。
天井裏に設置するので、コンセントが通電した時に自動的に起動するものが良いです
最終的には、エレコムの"LBT-AVWAR700"を購入しました。
追記(2024年8月27日):LBT-AVWAR700は終売となってますが、類似品は多数あります。探してみて下さいませ
アンプ
安価かつ高音質と言われていた"Lepai デジタルアンプ LP-2020A+"を購入しました。
追記(2024年8月27日):LP-2020A+はすでに終売のようで、後継品等から適切なものを探すのが良いかもしれません
インピーダンスがスピーカーと合ってないものだとスピーカー破損にも繋がる可能性があるのでお気をつけて。
スピーカー設置用の板
これは、上述の防水スピーカーを固定するための板です。前述の通り、天井には点検口が設置されていて、上半身くらいなら十分入るくらいの大きさです。この穴には蓋が付いています。この蓋の形は楕円形で、メジャーや大きめの定規があれば、正確に採寸できます。
うちの場合ですが、蓋の形状は、
- 辺縁部(フタ自体天井に引っ掛けるための耳の部分):462mm×500mm、厚さ0.5mm程度
- 中心部(通常、フタとして見えている部分):424mm×464mm、厚さ(というか高さ)10.0mm
程度となり、カーブ等の形状としては、真円に近いのですが、真円よりも4cmほど幅広の楕円形となっていました。
これ自体に穴開け加工してもよいかもしれなかったのですが、金属でできているので穴あけするは困難であること、またひょっとしたら現状復帰したくなる場合もあるだろう、ということで、アクリル板と塩ビ板を加工し使用することにしました。
加工を依頼したお店は
さんです。加工自動見積りが可能で、とっても便利です。私は下記のような豚の鼻型の厚板と、辺縁部の部分を別々に発注し、ネジ止めして使うことにしました。
<中心部>
- 板 :アクリル白(押出板) 厚さ 10mm サイズ 424×464 mm
- 角丸めA:R=212.0mm
- 角丸めB:R=212.0mm
- 角丸めC:R=212.0mm
- 角丸めD:R=212.0mm
- 穴あけA:X=120.0mm、Y=212.0mm、直径=95.0mm
- 穴あけB:X=120.0mm、Y=212.0mm、直径=95.0mm
- 重量(加工前、一枚あたり):約2.36kg
※穴あけA、Bの直径が95mmなのは、スピーカーの取り付け寸法で95mmと指定されていたからです。ケースバイケースでで!
<辺縁部>
- 板 :塩ビ板 白板 厚さ 1.5mm サイズ 462×500 mm
- 角丸めA:R=231.0mm
- 角丸めB:R=231.0mm
- 角丸めC:R=231.0mm
- 角丸めD:R=231.0mm
- 穴あけA:X=250.0mm、Y=231.0mm、直径=400.0mm
- 重量(加工前、一枚あたり):約0.42kg
下記のものが届きました。保護シートが貼ってあって、擦り傷なく届きます。感謝。
配線用部品(電線、プラグ等)
電源の延長コードとかコンセントの差し込みプラグを購入しました。
アンプやレシーバーのACアダプタを余裕をもって差し込むことができるように、差込口は多めの方が良いかもしれません。それから、基本的には水分や水蒸気には晒されないのですが、念のためにも、防沫タイプのものを使用しています。安全第一です。
組み立てと設置
材料がそろったら、あとは組み立てるだけです。辺縁部と中心部の板をくっつけないといけないのですが、接着剤では駄目でした。アクリル板を接着するのって結構難しいようです。専用の接着剤もあるそうですが、いつか剥がれてスピーカーごと落ちてきそうです。これは危ない!ということで、確実にネジ止めすることにしました。
スピーカーの取り付けについては、付属マニュアル通りに進めれば問題ないです。
コンセントですが、実は換気扇につながっているコンセントは通常の形でなく、パネル用コンセントと呼ばれる形のものでした。↓
で、このままではレシーバーやアンプの電源としては使用できません(ACアダプタが刺さらないので)。何通りかやり方があるかもしれません。私は次のようにしました。
まず換気扇から伸びてきてるパネル用プラグから配線を外しました。ドライバー等で簡単に外すことができます。
今度は、購入した電源タップのブラグ部をペンチで切りとって、先程取り外したパネル用プラグを接続しました。
そして、むき出しになっている換気扇からの配線に、購入した通常のプラグを接続しました。
あとはタップを電源に接続し(↓)、レシーバーやアンプのACアダプター、そして換気扇からのプラグを接続して完了となりました。
スピーカーやアンプ、レシーバーの音声関連の配線ですが、これも説明書通りに行います。
あとは、もともと点検口についていたゴムパッキンを取り外し、辺縁部に取り付けて、設置して完了となりました。
評価
期待した通り、満足いく音質で鳴り響いてくれました!防沫スピーカーという性質上、音質はどうかな~という不安が少しあったのですが、自分評価では100点ですね。
見た目についてですが、若干周囲の色と異なりますが、実際入浴中には気にならないです。
可能なら、青空の模様や、森林の模様の防水壁紙みたいなのを買ってきてアクリル板部に貼り付けてみたいと思います。きっとすごく雰囲気が良くなると期待してます!
電源は前述の通りで、照明スイッチに連動しているので、風呂を使用しない時はOFFにできて省エネです。
照明をつけると同時にアンプとレシーバーがONになり、Bluetooth待受体制が整います。スマホでペアリングしておけば、スマホのBleutoothをONにすれば、(環境にもよりますが)自動接続されます。確実に自動接続したい場合は、Bluetooth Auto Connect などのアプリを使うと良いですね。自動接続したくない場合、使用後はBluetoothのオプションでオーディオのプロファイルをオフにしておくと良いです。