あまり人生で経験ないことかもしれませんが、洗面台のボウル(白い陶器の部分。洗面ボウル、洗面ボールなどと呼ばれる)って割れてしまうんですね。固いものを落としたりすると、結構あっさりと。。
洗面台の鏡って裏に収納スペースがあって、そこに化粧品とか薬とか色々入れると思うんですけど、中には重いビンとかあって、そういうのって落としたりしやすいですよね。だから本来は、ボウルは割れないように超頑丈にすべきだと思うんですけど、残念ながら、そうなってはいないようです。
洗面台のボウルが割れた!
意外とありそうで、実は人生で初めての経験ですね。
うちの場合、化粧品のボトルを落としてしまい、クラック(ひび)が入りました。初めは小さいクラックだったんですが、気にせずに使っていると徐々に広がっていって、最後には数十センチ以上になって水漏れも激しくなりました。
初めは裏面からガムテープを貼り付けて、これで何とかなるだろうと思っていたんですが、甘かったですね。最後には表と裏と両方からガムテープをベタベタ貼って、それでも水が漏れる状況になりました。
なお、通常は応急処置として↓こんなのを使うそうです、自分は知らなかったので使いませんでしたが。。
ただし、この補修剤を使ったとしても時間の問題で、結局はクラックが徐々に広がってしまう事が多いようです。それに一旦ヒビの入ったものを長期間安心して使い続けられるか?って話でもあります。もし水漏れでマンションの階下へ損害が出てしまったら、損害賠償額は大変なことに。。。
業者に修理依頼の電話をしたら8万円!
水漏れが激しくなってきたのっで、製造元であるタカラスタンダードへ電話することにしました。
俺「もしもし?あのー、御社の洗面台を使用させて頂いている者なのですが、誤って洗面台のボウルの部分に化粧品ボトルを落としてしまい、ヒビが入ってしまったのですが・・・」
(対象製品の型番を調べるやり取りをしましたが、中略)
タカラスタンダード「そうしますと、修理費用は8万円になります」
俺「8万円ですが、、ちょっとすぐにお返事できない額ですね・・・」
タカラスタンダード「もしヒビが入ってしまっているなら、すぐに修理したほうが良いですよ、そのまま使い続けるのはおすすめできません」
俺「分かりました、妻と相談してから決めます」ガチャ。
という感じでした。上にも書きましたが、水漏れした場合を考えると、確かに直ちに何とかしないといけないのは間違いないのですが、とにかく高い!ちなみに補修剤はオススメされませんでした。。
業者さんに依頼する場合と自分でやる場合のメリット・デメリット
業者依頼
- メリット:とてもキレイに、かつ確実に仕上がる
- デメリット:費用が高い、再び同じ状況になった時にまた同じだけ費用がかかる
自分でやる
- メリット:恐らくは安く済むし、何よりも「自分の中に経験として残る」ことが大きい!
- デメリット:結果は自分の努力次第で大きく変動する
というわけで、何事も経験だということで、まずは自分でトライし、もし途中でギブアップとなったら業者に依頼する、ということにしました。
フィットするボウルを探す
まずは割れたボウルそのものが売ってないか調べてみました。型番については、ボウルの下面に印字してありますので、それと「洗面台 ボウル」などというキーワードと共にGoogle先生に聞いてみたところ、楽天などで取り扱いがありました。
ただし高い!!同型番の物は4万円で販売されており、安売りしているショップはありませんでした。正直、ボウルだけで4万円かかるなら、あと4万円追加して業者さんに依頼しちゃいます。ちなみにボウル自体のメーカーはニットーセラという所のようです。型番はL-250でした。
2024年8月15日追記:L-250はその後5万円以上に値上げしています!!
だけど、こういう洗面台関連のものって、何か規格みたいなのがあるんですかね、ラッキーなことに、ほぼ同じサイズのものがTOTOからも販売されていたのです。
ちなみに購入したのはL-620というものです。2017年1月時点ですが、とあるネットショップにて、定価¥3万8000(税抜き)、割引で2万円以下になってました!超安い!!TOTOの方が販売流通量が多く、割引販売している業者も多いってことなんでしょうかね?
2024年8月15日追記:L-250互換品であるL-620は廃盤になり、現時点で安価な互換品は見つかっていません(泣)
とにかく、洗面ボウルの場合は、サイズを自分で測って、あとはメーカーにとらわれずにフィットするものを探す、というのがベストですね。
洗面ボウルの型・タイプについて
一般住宅用の洗面ボウルには、大きくわけて「アンダーカウンター」型、「オーバーカウンター」(あるいは「埋め込み」)型、「置き型」(あるいは「ベッセル型」)の3種類があります。
「型」と呼んでいたり、「タイプ」と呼んでいたり、あるいは「マウント」と呼んでいたりするので、検索するときは少し工夫が必要かもしれません。
アンダーカウンター型
その名の通り、天板の穴に向かって下から貼り付けるタイプの洗面ボウルとなります。今回のケースが該当しますね。見た目がスッキリしていて、掃除もしやすいのが特徴です。
オーバーカウンター型(あるいは埋め込み型)
天板の穴に向かって上から埋め込む(あるいは引っ掛ける)タイプとなります。大型のボウルにしたい場合に選択肢が広がります。天板との接合部が見えてしまうこと、また掃除しにくいのがデメリットですね。
置き型(あるいはベッセル型)
天板の上に洗面ボウルを置くタイプとなります。デザイン性の高いものが多いことがメリットですね。一方で天板を低めにしないといけないというデメリットもあります。うーん。。
あれこれ考えながら・・・交換作業開始
さて、ボウルはゲットできましたので、あとはこれを付け替えるだけなのですが、これが今回の最もヤマ場です。Google先生に聞いても”詳しく”やり方を書いているサイトは無いのです。断片的に得られた情報を元に、全て手探りでやるしかありません。しかも作業中は洗面台が使えなくなりますので、交換作業が長期間に及んだ場合、家族にも不評となることが予想され、できれば1日で終わらせることが必要となります。以下、ものすごく焦りながら作業した記録です。
まずは配管類の取り外し
配管類を一つずつ取り外していきます。基本的には、外せそうなところは全て外していく感じです。
↓外観
↓Y字部を取り外し
↓上部のナットも緩めていって、さらに配管を外しました
ボウルの上から排水口部を抜き取ります
↓排水口の下から眺めてみた図
↓せっかくの機会なので、部品やパッキン類は全て洗浄しました
割れた洗面ボウルの取り外し
これが第一関門ですね。とにかくGoogle検索しても断片的な情報しかない!どうやって固定されているのかを調べるだけでも一苦労でした。。。
前述の通り、今回の場合は「アンダーカウンター」型の洗面ボウルとなりますので、その名の通り天板に穴が空いていて、そこにボウルが下からくっつけてあります。どうやってくっついているかですが、製品によっても違うかもしれませんが、概ねシリコーンシーラント+固定金具なのではないでしょうか。うちの場合もそうでした。
↓固定金具のほうはネジを回せば原理的には外せますし、ネジも強くは締められていない(締めすぎると固定金具が天板から外れてしまう恐れ)ことから、簡単に緩められます(後述しますが、外す作業をしている間は少し緩める程度にしておきます)。
一方でシリコーンシーラントです。これが非常に厄介。。とにかく丈夫で、力ずくで外せるようなシロモノではないです。
断片的情報では、金属ワイヤーを使ってシリコーンシーラントを剥がしていく、という情報もあったのですが、家にある丈夫なステンレスワイヤーを使っても全然歯が立ちませんでした。
私としては、まずは細工ノコギリ(細工鋸)と金属ヘラとカッターを駆使して、怪我をしないように時間をかけて慎重に作業しました。
まずは金属ヘラを天板とボウルの間に少しねじ込み、隙間を少しだけ広げます。その近くにカッターナイフで切れ込みを徐々に深く入れていって、貫通したら細工ノコギリでゴリゴリとカットしていく、というやり方です。
↓ヘラを使わず、カッターナイフだけでやっても貫通できません、無理にやると刃が折れて怪我をするので注意!
同時に注意しないといけないのが、金属ヘラをねじ込む力の入れ加減です。もしグイグイと力任せにやってしまうと、天板(うちの場合は人工大理石)が割れます。確実に。ほんとに少し隙間が広がったかなーくらいで、徐々にやっていくしかなかったです。
↓休み休み2時間くらいかな(覚えてないですスミマセン)、ようやく既存のボウルを外すことができました。
洗面ボウルは大変重いので、ガタンと落ちないように固定金具は多少緩めた状態(2~3mm程度遊びができれば十分)で付けたままにしておくこと(完全には外さないこと)、できれば2名以上で作業すること。ジャッキのようなもの(なければ何か台のようなもの)を念のためボウルの下に置いておくと安心ですね。
接着面を出来るだけキレイに
ボウルを外し終わったら、今度は接着面に残ったシリコーンシーラントをなるべくキレイに削り落とします。これがあまりに残っていると、新しいボウルを水平に設置しにくいばかりか、新しいシリコーンシーラントの効きが悪くなってボウルが剥がれ落ちてしまう可能性もあります。ということで、カッターとかヤスリとか、先程の金属ヘラを駆使して、怪我をしないように最大限注意を払いつつ、なるべくキレイに落としました。ちなみに多少の残りは自分としては問題ないと思っています。
新しい洗面ボウルの取り付け
次が第2関門です、これが再度、大変でした。洗面ボウルが元々あったものと比べてかなり重かったんです。だから、所定の位置にもってきて金具で仮固定するのにエラく苦労しました。1人でやったんですが、カミさんにでも手伝ってもらってたら、金具の仮止めに苦労することはなかったなーと思いました。
仮止めまで終わったら、今度は接着です。まずは隙間の部分に新たにシリコーンシーラントを注入していきました。
↓洗面ボウルの上部には少し溝がついていたので、そこを目安に、徐々にコーキングガンでシリコーンシーラントを入れていきました。
まんべんなく注入できたら、徐々に固定金具を締めていき、ボウルと天板を密着させました。内側にはみ出してきたシーラントはとりあえず雑巾等で拭き取りました。はじめのうちにマスキングテープを貼っておけば良かったと少し後悔。。
仕上げ処理
最後にマスキングテープを接着面の上下に一周貼り、シリコーンシーラントを軽く乗せるように注入し、コーキング用ヘラを使ってキレイに仕上げました。
ヘラについたシーラントはこまめに拭き取るようにすると、多少やりやすく、仕上がりも良いかもしれません。まあ自分は多少割り切ってました。。
最後に配管類を取り付けて、作業完了です。
まとめと感想
なんだかんだで、結構時間かかったなーという感想です。そりゃ業者依頼したら8万円かかるわ。。。これはボッタクリ価格では全然ないですね。正当プライス。
今回は金額的な面で自分でチャレンジしましたが、とにかく1人でやるには重いし、刃物も使うので危ないしで、未だに自分でやって良かったのか、悪かったのか、判断しかねる状況です。もし体力があって、協力してくれる人もいるようでしたら、場合によってはチャレンジしても良いかもしれませんね。
最後に費用の比較ですが、
<業者依頼の場合>
- 計80,000円
<自分作業(概算)の場合>
- 洗面ボウル18,000円
- 細工ノコ 1,000円
- 金属ヘラ 1,000円
- シリコーンシーラント+コーキングガン+マスキングテープ 計1,000円
- コーキング用ヘラ 500円
- 計21,500円
ということで、約6万円ほど浮くとともに、貴重な経験(プライスレス!)をさせてもらったなぁという感じです。ちなみに浮いたお金で牛肉ステーキを買いました。実質タダだと思うと、さらに美味しかったですよ!