<薄型ノートPCってバッテリー内蔵で交換しにくいイメージですが、実は簡単な場合も。信頼できる交換バッテリーを探す方が難しいかも>
妻の使っているノートパソコンのLavie LZ650/S。
数年前から使っていますが、先日、急にバッテリーが故障してしまったようです。
具体的には、ACアダプターを使って使用するには問題ないものの、ACアダプターを外すと瞬時に電源が切れてしまう。
バッテリーのアイコンにはなんか警告マークが出ていて充電できないし、バッテリーリフレッシュをするとやっぱり警告みたいなのが出て実行できない。。
まだ使い始めてそんなに経っていないし、動作ももたつくことはないので出来ればまだまだ使いたい、ということでバッテリー交換することにしました。
バッテリー内蔵型と取り外し可能な型のノートPCがある
最近のノートパソコンは、スマホと同じで薄型・軽量化に注力してます。
薄型、軽量化を目指すには従来型の金属缶型(直方体型)バッテリーでなく、アルミラミネート袋を用いて比較的自由な形状のものを製造できるリチウムイオンポリマーバッテリーが使われるようになりました。
リチウムイオンポリマー型を用いると、比較的大容量のバッテリーを筐体内部の空間に格納(→内蔵型に)することができます。形状に融通が効くので、すき間を最大限に有効利用できるわけです。
ちなみに取り外し可能なタイプのものとなると、内蔵型に比べて下記の問題があります。
- デザイン性、堅牢性が劣る
- ロック機構などが必要で軽量化・薄型化の流れに合わない
- 余計な機構がある分、バッテリーのサイズを削られる
安全性や品質保証の面から、ユーザーに筐体内部にアクセスさせるわけにはいきません。
また、薄型を突き詰めていくと配線類も当然薄くなり、取扱いを少し誤っただけで断線してしまう可能性も高くなります。
そういう訳で、スマホや薄型ノートPCの内蔵型バッテリー交換はユーザーにはさせないようにしよう、との流れになりました。(と思ってます)
バッテリーが外せるタイプも需要あり
PanasonicのLet’s Noteシリーズや一部の富士通製品、マウスコンピューターなど、数少ないですがバッテリー取り外し可能なタイプもまだ売っていますね。
バッテリーに不具合が必要になった時に、内蔵型だと一旦メーカーに送らないといけないですが、取り外し型だと自分でタイムロスなく交換できます。そういった需要もあるのでしょうね。
もし自分だったら、ローカルのデータを一旦大規模に整理して、さらにどっかに避難させて、RとかPythonとかChemdrawとかいろいろ環境を再構築して・・・想像するだけで疲れますね。やっぱりバッテリーだけの交換で直ると嬉しいです。
また取り外し可能タイプだと、メーカーとしては万が一のリコール発生時も回収しやすいのかもしれません。
内蔵型バッテリーの交換をメーカーに依頼する場合の費用は?
例によって、メーカー公式サイトにて費用を概算、比較してみます。
NECの場合
今回のNECの場合ですと、lavieのサポートページで調べることができます。下記のようにかいてますね。
https://support.nec-lavie.jp/ss/battery/replace/
対象機種 | 料金(税込) | |
---|---|---|
パソコン | LAVIEシリーズ | 28,380円 |
タブレット | LAVIE Tab W | 28,380円 |
LAVIE Tab E(10.1型ワイド) | 23,650円 | |
LAVIE Tab E(7型ワイド、8型ワイド) | 20,900円 | |
LAVIE Tab S | 21,670円 |
料金改定:2019年2月14日
すなわち工賃と部品代で3万円近くになる計算ですね。うーん、正直、お高いです。。
VAIOの場合
下記のように書いてますね。個別の費用設定とのことですが、概ね16,500円で良心的な値段。。
https://support.vaio.com/service/battery/
ご利用料金 16,500円 * 部品代、作業技術料、送料込
ところでこれって、消費税も含むと書いてあるんですが、一方で最後に”+税”とも書いてあって謎。俺の読解力が足りないのかも。。あるいは消費税以外の税がかかる???←修正されていました!
富士通の場合
投稿時点で、特に交換サービスはやってない・・・?内蔵型といえども自分で変えてね、って感じかも。富士通サイトで1万5千円くらいで買えますね。
https://fmv.fccl.fujitsu.com/shop/pid/p/power/battery
DELLの場合
公式サイトに詳細は書いてなかったのですが、経験者の書き込みなどから26000円+税にて引取り交換となるようです。費用はNECの場合と同じですね。
Appleの場合
だいたい2万円いかないくらいなので、比較的良心的と言えるかも。。
https://support.apple.com/ja-jp/mac/repair
見積 - バッテリー
13 インチ MacBook Air 2019
15,800 円
15 インチ MacBook Pro 2019
23,800 円
東芝Dynabookの場合
存在感がなくなりつつはありますが、まだまだ認知度高い東芝さん。
http://dynabook.com/assistpc/repair/index_j.htm
特に費用については投稿時点で概算すら明記されていませんが、すでに経験された方に聞きますと、工賃+部品代で概ね3万円弱という感じです。
概ね全体像がつかめて、結果として今回のウチのNECは比較的高くつくメーカーに分類されていることもわかりました。
こういうのってどうしてこんなに費用に差が出てきちゃうんでしょうかね。気になります。。
ということで、自分で(自己責任で)交換してみることにしました。
バッテリーの型番の確認、どの販売業者から買うか?
バッテリーの型番はパッと見では分かりませんでした。表にも裏面にも書いていません。
ひょっとしたらマニュアルには書いてあるのかもしれないけど、マニュアルどこにしまったかわからん。。
ということで、底面カバーを外し確認してみることに。
底面に見えるネジ(12本くらいだったかな)をドライバーで外していきます。
特に難しい作業ではありませんが、ネジをなくさないように注意します。
バッテリーを止めているいくつかのネジを外します。落ち着いて確認すれば大丈夫。
続いて、バッテリーについているテープ類を優しく剥がして行きます。
まずはここのオレンジ色のやつ。
いずれもバッテリーが外せる程度まで剥がせば十分で、本体から取っちゃう必要はないです、念の為。
スピーカーケーブルが引っ掛けてあるので、すこし浮かせてバッテリーを外せるようにします。
最後に基板とつながっているコネクターを外します。ここもテープで固定してあるので優しく剥がしてから、コネクタを真横にずらして外します。
PC-VP-BP95/ OP-570-77023
と書いてますね。
どの販売業者から買うか?
バッテリーは結構繊細な部品なので、信頼ある販売店から買いたいです。ところが今回の場合、Google先生に聞いてもなかなか良い情報が得られませんでした。
ここは自分が人柱にならないといけません。。
数少ない情報から選んだ結果、NOTEPARTSさんから買うことにしました。
https://www.noteparts.com/SHOP/NEVPBP95-02.html
一応、Amazonでも楽天でも売ってはいるんですが、価格と評判を見て問題なければトライすることも良いかもしれませんね。取扱商品は常に入れ替わるので、念の為チェックしてみることをおすすめします。
届いたバッテリーの検証と、取り付け
NOTEPARTSさんから届いた製品
こんな感じで非常に丁寧な梱包で送られてきました。これは期待大!
箱に開封の跡があったり、箱や袋が破損していたりとか。。
でもココは、少なくとも今回の商品は大丈夫そうに見えます。
型番も問題ないですね。何より安心なのが、「新品の匂い」がすることです。中古やリファービッシュ品でないというのが感覚的にわかります。
これって結構便利な見分け方(嗅ぎ分け方?)だと思いませんか?
私には違いは見つけられませんでした。。
では早速、ノートパソコンに取り付けて行きたいと思います。
といっても基本的には取り外しと逆の手順を追うだけなので簡単です。
バッテリーを所定の場所に置いたら、ドライバーでネジどめして、それからオレンジ色のテープを貼り直して、
スピーカーケーブルをバッテリーの周囲の溝に沿わせるようにキレイに配置し直して、
最後に基板にコネクターを挿し直して、固定テープを貼り直して完了です。
やったー、バッテリー充電中のマークが出ました!無事に動いているようですね。
まとめと自分で交換する場合のメリット・デメリット
今回、薄型ノートパソコンの、本来なら取り外し出来ないタイプの内蔵バッテリーが故障し、筐体を分解してバッテリーの型番を確認し、それを信頼できそうなパーツ屋経由で購入し、取り付けて無事に動作することを確認しました。
また本来の手順であるメーカーに交換を依頼した場合、メーカーごとにどのくらいの費用がかかるのか比較もしてみました。
自分でやるメリット
- 満足感:NECは交換費用が高い部類に入るため、自分で交換できた満足感は高いですね。
- 費用:NECの場合、メーカー依頼だと約3万円弱かかりますが、今回はバッテリー代の1万円強で済みました。
- 期間:またメーカー依頼だと預かり修理になるため、メーカーに預かってもらう期間(大体1-2週間)がゼロだったのも嬉しいです。
自分でやる場合のデメリット
- 保証:正規の手順で無いため、別の箇所が故障した場合に保証がされないことがあるかもしれません
- 信頼性:バッテリーには怪しいものもあります、せっかく交換したのにすぐにダメになるようなケースもあると懸念されます
- 手順:今回簡単だと書きましたが、人によってはやはり難しいと感じる場合もあるかもしれません、特にむき出しの基板を見ると苦手意識のある方も多いと思いますし、静電気なんかで基板にダメージを与えてしまう場合もあるとは思います
というわけで、自分としては、下記の場合には自分でトライすることをおすすめします。
- メーカー保証期間(通常は1年)が切れている
- 信頼できそうなバッテリー取扱業者さんが見つかる
- 機械系が苦手ではなく、また不器用ではない
あと、例によって老婆心ながら言うと、数日間は在宅中で常に確認できる状態でのみ充電した方が良いかもしれませんね。バッテリーという部品の特性からです。
これは交換バッテリーに限らず、新品のノートパソコンやスマホでも言えることです。バッテリー関連の不具合による事故は当面無くならないと推定されます。
自分は充電池を持つ家電を買った場合、あるいは今回のようにバッテリーを交換した場合、最初の数日間は不在時には充電しないようにして、何かあった時にすぐに対処できるようにしてます。
自己防衛っすね。
ちなみに今回のケースでは、2日ほど様子を見ながら充電し、あとは通常の使用(常に充電ケーブルを接続)にしました。実は既に数ヶ月経過していますが、問題なく使えています。
ちなみに似たようなことを美容器具でもやっております
ではでは。
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