プリファレンス・マッピングをRのSensoMineRで…ケンタッキーフライドチキン

2018年2月23日金曜日

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<ケンタッキーフライドチキンで部位で大きさがかなり違うので、重さを測ってブログに書こうと思ったら使い古されたネタだったから悔し紛れにRとライブラリSensoMineRを使って多変量解析のプリファレンス・マッピングしてみた>

子供が誕生日にフライドチキンが食べたいというので、ケンタッキーまで行ってきました。真冬の寒空の中、自転車で15分。きつかった。。

オリジナルチキン10個買ったんですが、開けてビックリ、というか知ってたけど、ピースごとに全然大きさが違うんですね。

大きいものだとずっしり重いし、小さいものだとオマケかな?と勘違いするレベル。で、直感で評価するのは良くないので、重さを測定してみたらやっぱりかなり違う!ってことで、ブログのネタにしようとしたんですが・・・

ググってみたら、もう既に多数の方に書かれてました!

うーん、せっかく測ったのに…でも使い古されたネタやってもしょうがないしな…ってことで悔し紛れですが、味とか食べやすさとか好き嫌いを点数つけて、それっぽい解析してみようか・・・

ということで最近良く聞くプリファレンスマッピング(preference mapping)を試してみました。

 

フライドチキン10ピースの重量測定結果

ケンタッキーのフライドチキンですが、チキンのいろんな部位の素材が使われています。これについてはGoogle先生に聞いてみると解説サイトがいっぱい出てきますので、省略しますね。

ちなみに今回10ピースまとめ買いした時は下記のような構成でしたが、店の在庫等の事情で変わるようです。

  1. キール(胸):2ピース
  2. リブ(あばら):2ピース
  3. サイ(腰):2ピース
  4. ウイング(手羽):2ピース
  5. ドラム(足):2ピース

それぞれ重量を測ってみた結果です。

1.キール(胸)

2.リブ(あばら)

3.サイ(腰)

4.ウイング(手羽)

5.ドラム(足)

本当は骨を除いた可食部のみを測定すべきですね。骨の重さは大体ドラム30gリブ20gキールサイウイング15gといったところです。

2個体の平均から骨の重さを差し引いて表にすると、、、うーん、ドラムとウイングのコスパの悪さが際立ってしまいますね。

各部位の重量(g) 個体1 個体2 平均 可食部
キール(胸) 134 122 128 15 113
リブ(あばら) 146 124 135 20 115
サイ(腰) 137 131 134 15 119
ウイング(手羽) 80 77 79 15 64
ドラム(足) 85 85 85 30 55

とまぁ、こんなデータが取れたんですが、やっぱり自分で測定してみると実感が違いますね。特にドラムの良い所って何なのでしょうね。肉質とかジューシーさが好きって意見もあるようですが、自分にはちょっと物足りないです。

でもケンタッキーさんは重量が違うにもかかわらず同じ価格でドラムとサイを販売していることを考えると、肉質とかジューシーさとか、”感覚”で評価される部分に実は価値があると判断しているのかもしれませんね。

単に面倒なだけかもしれませんが。。

で、残念ながら、上述の通り、重さを測ってみたブログは多数存在するので、これだけでは新しさはありません。

悔しいのと、まあせっかくの機会でもあるので、その肉質とかジューシーさといった”感覚”的な評価(官能評価と)消費者嗜好性(好み)を結びつけて解析するプリファレンス・マッピングを試してみることにします。

 

プリファレンス・マッピングとは

(専門家ではないので、変な点はスルーして下さいね!)

プリファレンス・マッピング(Preference Mapping; PM)は1980年台に基礎が開発された手法で、これを使うと色々な対象(製品)の官能評価と消費者嗜好性をまとめて1つのグラフ上に表現することができます。

製品と官能評価、あるいは製品と消費者嗜好性の関係だったら、主成分分析(Principal Component Analysis; PCA)やいわゆるコレポン(Correspondence Analysis; CA)で2次元(あるいは3次元)にマッピングすることができます。

でも2つの図を見比べながらあれこれ考えないといけないのが面倒だし、他人に説明する時に説得力が落ちる感じ。

プリファレンス・マッピング法を使うと、それら3者の関係性をまとめて表現することができます。うーん便利(自分の理解はこんな感じ)。

詳しくは相島先生による解説をご覧ください。

このプリファレンス・マッピング法ですが、近年は食品開発の分野での利用が凄く高まっているそうです。ポッカさんもレモン飲料の開発に利用した例を学会発表とかプレスリリースとかしてますね。

このように面白そうな手法ではあるんですが・・・非常に残念なことにやり方を私のような理解力に乏しい人間に分かりやすく説明してくれるサイトが無いのです。。

統計ソフトのXLSTATってやつを購入すると説明サイトもあるので取り組み易いようですが、企業が導入しようとすると1ライセンス24万円とかなり高額です。正直しんどい、ちょっと試したいだけなのに・・・って思う人多いと思います。

一方で、統計解析系のフリーソフトであるRと、ライブラリのSensoMineRを使うと、無料で実行することができます。

 

フライドチキンの官能評価とプリファレンス・マッピング

SensoMineRでプリファレンス・マッピングの計算を行うには、複数(できれば6種類以上)の製品と8人程度以上の嗜好性調査結果が必要です。官能評価項目数との関係とか詳しくは調べてないのですが、大体そんな感じです。

今回は官能評価項目として、

  1. ジューシー感
  2. 肉のパサつき感
  3. 肉の旨味
  4. フレーバー
  5. 食べやすさ
  6. 重量感

を選びました。もちろん熟考しましたが、やや適当に選んだ感じもあります。家族にアンケートをとって、平均を表にするとこんな感じ。本当はもっと数字の意味付けをきっちりしないといけないけど、まあ個人ブログなんでそこは適当です。

ちなみにチキンの種類が少なすぎると計算できないので(エラーが出る)、ナナチキとファミチキも足しました。

次に好み(嗜好性)を聞いていきます。これは友人に適当に聞いて回ります。

官能評価の結果を主成分分析(PCA)するとこんな感じです。

さらに、嗜好性調査も合わせてSensoMineRでプリファレンスマッピングを描かせるとこんな感じ。

赤が濃くなるほど嗜好性評価が高いという感じ。今回はサイがいい感じですが、(より赤い所へ行く)改良の余地がありそうです。少し左方向に持っていくとしたら、主成分分析結果を見る限り「食べやすさ」を改善する感じでしょうか。

一方でドラムやリブはイマイチな感じでした。やっぱり差がデカイなぁ。。

ナナチキよりはファミチキの方が評価高そうな感じですが、N数少ないのと官能評価が適当なので、事実ではないと思いますです、はい。あまり深読みしないでくださいませ。。私はナナチキの方が好きです。

 

最後に

やっぱりケンタッキーさん、オリジナルチキンは部位別に、あるいは重量で値段変えて頂けないでしょうか、満足感に差がありすぎるんじゃないかと思います。子どもたちに分ける時も凄く気を使うし。。

あとプリファレンス・マッピングですが、細かいやり方は面倒なのですっ飛ばさせて頂きました。

ただ、もし自分もちょっと試してみたい、という方がいらっしゃいましたら、下記がいいかもしれません。

プリファレンスマッピング 簡易手順書へのリンク

Rとかパッケージとか全然わからんけど、とりあえずプリファレンスマッピングしたい、どうすりゃいいの?って人向けに箇条書きで手順が書いてあります。値段も小遣い程度なので、経費で落とせなくても、個人で余裕で買える値段です。


あと、今回のようなデータは対象外ですが、毎月の売上や降水量など、時系列のデータなんかを「動くグラフ」(モーショングラフ、モーションチャート)として簡単に、Excelで作成できるようにしました。データ活用と魅せる化の工夫として同じカテゴリーかなと思いましたので、紹介させて下さい。
<Excel>滑らかに動く(アニメーション)グラフを作るための3つのステップ
https://magtanate.blogspot.com/2021/08/3-steps-to-smooth-motion-graph.html
DIY360
プレゼンに便利!Excelで動くグラフ(モーショングラフ)を作る方法
https://magtanate.blogspot.com/2021/08/easy-motion-graph-file.html
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<Excel>バブルを動かす!モーションバブルチャートの作成方法
https://magtanate.blogspot.com/2021/08/moving-bubble-chart.html
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